「ハムスターに触れたり手乗りさせたりしたいけど、手を噛まれるのが怖い!」という方は結構多いのではないでしょうか?
ハムスター飼育歴2年になる私も未だに噛まれる恐怖を完全には克服できていませんが、予防方法・対策方法は分かってきました。
当記事では、ハムスターになるべく噛まれなくするための方法や、噛まれてしまった場合の対処方法やリスクについて紹介しています。
人の手ではなくケージを噛む場合の対策方法については以下の記事にまとめていますので併せてご覧ください。
ハムスターが人の手を噛む理由
危害を加えられると警戒しているから
ハムスターはとても警戒心の強い動物です。
「自分の縄張りを荒らされてしまう!」、「攻撃される!」と警戒していることが原因で噛みついて来るハムスターもいます。
以前ケージ掃除などで嫌な思いをさせてしまったと心当たりはありませんか?
びっくりした・怖かったから
突然手を出したり、すばやい動きで持ち上げようとしませんでしたか?
ハムスターが驚いて護身のために咄嗟に噛んでしまったのかもしれません。
エサと間違えたから
ハムスターの視力はあまり良くないため、主に匂いでエサかどうかを判断しています。
手にエサの匂いが付いた状態、またはエサを手に持っていた場合は、食べ物だと間違えて噛んでしまったのかもしれません。
好奇心・興味から
ハムスター(特に子供のハムスター)は自分が知らない物が目の前にあると何でも噛んでしまう習性があるため、食べ物なのかの確認のために噛んでしまったかもしれません。
ゴールデンハムスターが噛む事は少ないですが、ジャンガリアンハムスターは好奇心旺盛で初めは噛んでくる傾向があります。
食べ物ではないと分かったら、次回以降は噛むことはなくなりますのでご安心ください。
体調が悪いから
ハムスターが大きなストレスを感じていたり体調不良の場合、イライラしていて噛んでくることもあります。
「今まで噛まれた事がなかったのに、ハムスターが亡くなるちょっと前に噛まれた」という経験談も聞いたことがあります。
最近急に噛むようになったという場合は、ハムスターの体調や飼育環境に問題がないかどうかを確認してください。
噛まれないための予防方法
手に慣れさせる
ハムスターをいきなり持ち上げるのではなく触れる前段階で、徐々に手の匂いに慣れさせると良いです。
自分からは手を動かさず、ハムスターが自分から近付いてくるのを待ちましょう。
初期は軍手(手袋)をして触れ合う
飼育を初めたばかりの内はハムスターの好奇心・警戒心が一段と強いため、噛まれる可能性が高いです。
ハムスターが慣れるまでは常に軍手をして触れ合うのも良いでしょう。
慣れてきたら軍手を外しても噛まなくなる個体も多いです。
以下のような動物の噛み付き防止専用の軍手もあるので導入するととても安心です。
掃除の時と触れ合う時は別人になりすます
掃除で縄張りを乱されることが嫌いなハムスターは、「掃除する人は敵」と認識してしまう事もあります。
ケージの掃除する時とハムスターと触れ合う時は別人になりすますのが効果的です。
具体的な方法としては、掃除する時だけ専用軍手を身に付けて自身の手の匂いを替えるという方法があります。
あるいは、ハムスターは音にも敏感な生き物なため、掃除の時は声掛けをせず、触れ合う時だけ声掛けするというのも一定の効果があります。
もし噛まれてしまったら?
上記の方法を実施すれば余程の事が無い限り強く噛まれる事はありませんが、万が一ハムスターに噛まれてしまった場合の対処法について説明します。
ハムスターがなかなか噛むのを止めず離してくれない時は、反射的に振り払ってしまいたくなるかもしれませんが、地面に手を置いてじっとして離してくれるまで待ちます。
ハムスターの鼻先を軽く叩く程度なら、離してもらうためにしても大丈夫です。
飼い主側が過度に怖がって急いで手を引っ込めるとハムスターが「噛むと相手を遠ざけることができる!」と学習してしまい、噛み癖が付いて頻繁に噛んでくるようになることもあるので注意です。
噛まれた箇所が出血している場合は患部を圧迫して雑菌ごと血を押し出した後、流水でよく洗ってから消毒しましょう。
しばらく経っても腫れていたり、患部が熱を帯びている場合は念のため病院で抗生物質等を処方してもらうと良いです。
ハムスターに噛まれた場合に起こり得る症状
ハムスターに噛まれてしまっても、多くの方は特に何も症状はありません。
ごく稀に以下のような症状が起きることが報告されているので、知識として知っておくと安心です。
アナフィラキシーショックを起こす可能性
アナフィラキシーショック(Anaphylactic Shock)とは、突然発症するアレルギー反応のことです。
ハムスターの唾液が体内に入った際にアナフィラキシーショックが起こった事例があります。
元々アレルギー体質持ちの方や持病がある方は、強い症状を起こして呼吸困難に陥るケースがあるのでご注意ください。
ハムスターに噛まれた後にめまい・じんましん・腹痛・けいれん・息切れなどの症状が出た場合はすぐに病院で受診しましょう。
ウイルス感染の可能性
ハムスターを含め齧歯類の動物は、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(Lymphocytic choriomeningitis virus: LCMV)というウイルスを保有していることがあります。
噛まれた際に唾液経由で感染したり、ハムスターの糞尿から感染することもあります。
感染した場合、軽い髄膜炎を起こすことが知られています。
注意しなければならないのは妊婦さんです。
妊婦さんが感染してしまった場合、胎児の小頭症や脳室周囲の石灰化、視力障害などを引き起こすことが知られています。妊娠中は念のためハムスターと触れ合うのは控えた方が良いでしょう。